E電(飯坂電車)

 旧い話で、しかも申し訳ないことだが、飯坂温泉というのは「じゅらくよぅ〜んっ」という記憶しかない。もちろん訪ねたことはないが、脳内で滓(かす)かに活きていた。

 福島曽根田天満宮から宿までは南へ10分ほどの徒歩(歩行)距離にある。駅で頂いた観光地図にそうあるから、そうであろう。しかも、ほぼ一直線なので迷うこともない。信夫山がなくても、大丈夫である。とはいえ、まるきし「方向分からず」の人間であるからアテにはならない。

 迷った。

 あとで確認すると、旧さくら野百貨店が福島駅を遮蔽していた。それで方向を失った。

 そのかわり、冒頭の温泉へつながる福島交通飯坂線、別名「飯坂電車」をみつけた。あの飯坂温泉に行くことができる、そう想うと嬉しくなった。(※行ってはいないが)

曽根田駅]※終点福島駅からイッコメ

曽根田駅前

 確か17時6分発に乗ろうと10数分待っていたが、節電のためか待合室は暗く、地方路線の苦労を窺い知ることができる。外はまだ明るいので、ソチラで待つことにした。隣は花屋さんになっているが、わたくしにはあまり関係がないので、ホームへ上がったりして、時間を潰していた。みると、もう福島駅が間近にあり、確実に電車待ちするより歩いた方が早いことが分かる。でも、待った。

 ひと駅乗る人もいないだろうなぁと思っていたが、お2人いた。時間が迫ってきた、ホームへと、無人の改札前方上をみると、こんな標示が(↓)。

[親切である]

電車が来ます

 もう、此処へ来ることもないだろうと思い、点灯を待つことにした。おそらく、明るく文字が光るということは、間近に迫っているのであろう、ホームまではちょっと時間がかかる。目の前というわけではない。乗り遅れる覚悟もしておいた。次を待てば良い。

[点いた!]

電車が来ます。乗り遅れそうに画像0145

 できれば、左側(進行方向)に「ふくしま」をもってきてほしいと思ったが、他の駅の事情もあろう、あるいは、電車が来る方向を示しているのかもしれない。

 などと、考えていると、ホントウに来た。

[いいざかでんしゃ]

福島交通電車画像0146

 二両きりのかわいい電車である。わずか数分の乗り鉄を終え、ホームに降りると、隣り合せに阿武隈急行が。
 案内の下に「自転車は降りて通行してください」という横幕があるが、福島交通では試験的に昨年夏、自転車の乗り入れを行なっていたそうで、名残りなのだろうか、それとも、現在も継続されているのであろうか。近頃は街で自転車乗りの姿が目立つが、出発地と目的地との距離が比較的長い際など、ひょこっと鉄道に飯(まんま)載せることができたら、もっと(自転車の)利用価値が高まるのではないかと思う。

 ウィキサイクルトレイン)に飯坂線は継続中とある。ほかにもいくつかあって、おおむね地方路線である。仲々密集地では実施しづらい面もあるが、盆暮れ(正月)に一度ぐらい試してほしい気もする。

 ⇒ サイクルトレイン試行についてのお知らせ福島交通サイトより)

福島交通と阿武隈急行

 こんな電車もある。(阿武急)

ほろにが号」(持ち込みは可能なのであろうか?)

 JRの改札と異なっているため、外に出るとまったく初めてみる街の景色であった。

 宿に戻るすがら、ポツンと立つ小さなビル(建物)の前を通る。呑み屋さんだ。すでに開いており、荷物を部屋に放り投げて、踵を返した。

[二晩お世話になった]※向こうに見える高い?ビルは別物

ポツンと呑み屋画像0146

 さて、

 お詫びに飯坂温泉のオフィシャルページ(サイト)を ⇒ 飯坂温泉

 中に、ほろ酔いウォーク2010というのがあって、これは結構、酔いが回るのではないかと案じている。ある意味、ハシゴである。参加される方、気をつけましょうね。(まだ、少し続く)