駅弁<鉄弁

 2週間ほど前、駅弁についてふれた(集合食の2・・・8月17日付)。ふだん、そのような環境にないものだから、駅弁を眼にすることはない。例えば、山の手線内で駅弁を販売している駅はいくつあるのか、以前であれば時刻表をもっていて、この駅には※凹弁がと分かったのであるが、駅探ではちょっと分からない。当てずっぽうに申せば、これから遠くへ行く人がいらっしゃる駅、つまり遠距離列車の発着、停車駅となる。東京から順番に上野、新宿、品川、浜松町(空港への乗換え)・・・、そうなのであろうか?そう断じる自信はない。それ以外の駅ではコンビニやキオ(ヨ)スクのお弁当を除いた場合、どうなのであろうか?おそらくであるが、採算が合わないから、わざわざ売りには来ないと思う。また、仮に目黒で駅弁(サンマ弁当とか)を求めて、目白までの間に食べる時間も勇気もない。オニギリ(おむすび)、パン程度ではもう今やフツウにあるが、あれは?とりあえず食?であり、これも想像であるが「味わっていない」と思う。ただし、オヤジのカップ酒とおツマミ(魚練品または乾きモノ)になるとかなり味わっているのではと感じている。
 わたくしは買わないが、コンビニのお弁当を買っていらっしゃる人に必ず(かどうかは分からないが)、「温めますかぁ〜」と聞いている。一度、わたくしも「オニギリ」を買った際にそう聞かれて、叱ろうと思ったことがある。駅弁やコンビニのお弁当は適度に冷めているから旨しいというのは味音痴なわたくしだからか、だいいち、弁当というのはお昼ごはん(ランチ)を本来は温かい中(家庭内)食でもって家に戻って食べたいけれども、色々事情もあって外食(弁当)として冷えたけれども内食の分け前(弁)を当てる〜という屁理屈からいえば、?冷えて?て当然である。いつの頃からか、まだコンビニのない時代に保温式のランチジャー(弁当箱)が販売されて以来、これみよがしに持参する方たちがいらして、わたくしは貧乏なので買うことができないという事情もあったが、あれではせっかくのお漬物も、梅干も、(洒落たオウチでは)もしかしたらレタスやミニトマトなんかがどうなっているのか想像するだけでも怖い。適度に冷えているからこそオベント、エキベン、オニギリの存在価値(レゾンデートル)がある。
 そのうち、「お客さん、おすし、温めますか〜」と、この温かくない世の中であるから、屹度出てくる。(すでにあるのかもしれない)

 温められるコンビニ弁当&すっかり冷めてしまっている旅館ご飯(料理)、前者は過剰サービスで、後者はサービス浄化、対極にあるようで、実は同じ極み(窮み)にあると考えている。

 駅弁の話である。

 標題はサイトを覘いていると多くの方がそう思われているようで、たぶん、そうだと思う。駅弁というのは停まった(定点)表現である。ほとんどの人は駅で買うが駅では食べない。単に購入する場所をさし示しているだけのことである。だから、百貨店の駅弁大会(百弁、デ弁)や駅弁の通販(通弁)といってもそれほど差し支えはない。通常は駅で売っているという前提条件付きと考えておく。本来は「鉄弁」であろう。買うのは駅だったりしても乗りながら食す、あくまでも移動性、強いていえば定線食なのである。その意味では、空弁は良いが、速(はや)弁はダメ(早弁とも重なるし)、高弁ではどうなのだろうか?(高いし)。と書きながら、若い時分にわたくしも駅から事務所に向かう途中になぜかあった旧日本食堂の小さな売店でチキン弁当を買って、事務所で食べていた。こういう場合あるいは駅で買って、事務所で食べるという場合は駅弁(OR社弁)でもよいかと思うが、書いていることとやっていることが窮みであるといわれても仕方がない。

 さて、

 ある駅(鉄)弁専門家がいらして、M新聞社のネット版に連載されており、ほとんど拝読しているのであるが、包み紙や結び目などのコメントが素的である。ただ、そのことが画像に反映されていないことを残念に思っていた。おおむねは開いた状態、つまり中身の紹介画像で終わってしまっている。
 「包み紙にある○×の顔が可愛らしい・・・」とあっても、それを確認するには別のサイトを頼るしかないのである。スペース上あるいは容量上の問題もあるのだろうが、(素的な)コメント班と(無粋な)画像班は全く異なる部署にいて、お互いの意思疎通がされていないのかとも穿ってしまう。

 この方は現在、同時進行的にMのほかにY新聞社(関西ネット版)にも駅弁の記事を書いていらっしゃって、同じ「弁」が重なっているが、コメントも(文字数の関係もあるだろうが)しっかりと書き分けていらっしゃる。弁の重なりもおかしくない、ご自身が奨めたいと思っているのだから、そうあって当然だとも思うが、ここでもまた使用画像が気になってしまった。
 いくら意地悪なわたくしでもエクセルで集計するような重(弁当)箱つつきをするつもりはなかったが、念のため集計してみた。Yの方が後発の連載開始で、本日現在32弁が紹介され、先輩格のMと重なっているのは9ケ(コメントは違っています)、うち8ケは画像が同じのようである(お弁当屋さん提供?)。

 一部を紹介する。

 面倒くさいが直接画像の貼り付けをしたくないので、ゲゲゲのふたつを見較べてください。

Mのゲゲゲ
Yのゲゲゲ

 こちらは名前が微妙に異なっているが、画像は同じ?

M社ネット版の牛めし
Y社関西版の牛めし

JR東日本サイトの牛めし

 三つ目の牛めしはエリンギやゴボウ(の数も?)あるいは添え物の位置が微妙に異なっているが、これらはお弁当屋さんの事情でもって、画像が変わったのであろう。
 使い回しというのはよくある(やる)ことであり、二たび屁理屈を申せば地球環境にもヤサシイかもしれない。しかし、MとYという同じ業界ながら異なる立場を有しているはずの新聞社が同じソース(画像)を躊躇なく用いていることにより明らかにコメント及び鉄弁が台無しになっている。記者クラブということがよく話題になるが、そういうことが鉄(駅)弁という楽しい・旨しい世界にも雪崩うっているのかと、少し、悲しくなった。

 昔から謂われるように雨が激しく落ちている時に貸さない(知らんぬふり)で、只今のように晴天時にどうぞお持ち(借り)くださいと仰言る企業群及びお役所の雨傘、繰り返すが、温めなくても良いのにレンジに入れたがるコンビニの方、冷めないうちにどうぞとご自身の帰り支度を気にしながら、はなから冷めていてほとんど残っている料理を押しのけて云われるほど温かくない御味噌汁(汁物)をさっさと供される旅館様、

 どこか鉄弁の旅にでてみたい。