回転学部すし学科
「町へ出よう」のついでに駅前にある回転すし屋さんを（外から）覘いてみた。右回転（時計回り）である。ただ、周辺に一軒しかなく、これでは判断しようがない。メーカーのサイトを覘いたが回転方向までは紹介されていない。どうも右も左も可能らしい。これは、エスカレーターが昇降可変であるのと同じである。
では、右なのかということである。
右（時計）回りの根拠として、まず、ウィキ（ｗｉｋｉｐｅｄｉａ）には「右利きの人が箸をもったままで、（左手で）お皿をピックアップできるから」とあるが、紳士淑女は箸をもったまま、他の所作をしてはならないという古式に法れば、少し疑問符がつく。（回転すしにいらっしゃる確率は低いものの）グルマン＝食通は（箸を使わず）手で抓むとも聞くので、箸説は再考が必要かもしれない。また、左利き（わたくしも）はどうしたらよいのか。取りやすさで判断すると箸で抓めということになる。そう考えると、あの皿だって、そこそこ重い。易々と箸にも棒にも引っ掛かってくれるとは思えない。
右利き説であれば、（右利き）にとっては左回り（反時計回り）の方がむしろ都合が良いのではないだろうか。自分の右から皿が流れ（向かっ）てきて、それを右手で取ろうとすると、どうなるだろう。体の右側で取ろうとすると逆手の可能性もあり、手首を捻る危険性もある。ウッカリ取りそこなうと、逃げ足（ウサギ）に追っ手（カメ）のような状態で、忙しない（追いつかない）。モスクワのエスカレーターほどは早くないが、（食べようかなぁと）逡巡して、（あ、やっぱ食べよっ）と取る時にはもう自分の前を通り過ぎて左側にある可能性が高いから、右回りであると、慣れない左手でもって受け止めなければならない。左回りであれば、多少遅れても、右手でがっちりゲットできるのではないだろうか。
したがって、右利き説には不備がある。
他のいくつかのサイトに利き目説というのがあった。正確なことは分からないが、利き手と利き目は人によって異なる場合もある。例えば右目が「利き」であった場合、どっち回りが適切なのだろうか。サイトでは、だから右回りという説が多いようである。
その前に自分の利き目がどちらであるかを知っておく必要がある。眼科医療機器メーカーの?二デックのサイトから引用する。
［利き目を知る方法］
１. 数メートルほど離れたものを、よく見てください。（たとえば、壁に掛けた時計を見てください。）
２. 見続けながら、見ているものを指さしてみてましょう。
（指には焦点が合っていませんので、２本にぼやけて見えるはずです。）
３. この状態で、片目ずつ交互に閉じたり開けたりしてみましょう。
片方の目は、しっかり見ているものを指さしていて、もう片方の目は少しずれた方向を指さしていますね。しっかり指さしているほうの目が“利き目”です。
わたくしは右目であるようで、右目利き（目利きはできないが）、左手利きということになる。
世間一般においては利き目が右という割合が多いということらしく、まず右目で（お皿を）捉えることができるので右回りだというのが、利き目説のようである。（では、利き目が左の人はどうしたら、ということになってしまう気もがするが）ただし、先に利き目で捉えることが果たして良いことなのであろうかという疑問もある。
例としてベースボールの打ち位置を想像してみた。わたくしの場合は左利きなのでフツウに左打席に立つのであろうが、利き目は右であるから、これでは大成しない（それ以前の資質の問題は別として）。イチロー選手やゴジラ松井選手はどうなのであろうか。手は（本来）右利き、利き目は左なのかもしれない。もともとセンスがあることは擱くとしても、理に適っていて、利き目をマウンド（投手）より遠い方に置くことにより、じっくりと球際を見極めることができ、見逃すことも芯でとらえることも可能となる。くどいけれども、だからといって、みなが皆真似ても、そう巧くはいかない。
では回転すしの場合はどうか。
バット（箸）を左に持って（正確にはバットは両手で持つが）、右から近づいてくるボール（皿）を打つ（取って、喰う）、利き目は左、そのような条件のもとで利き目説は成り立つような気がする。もちろん、箸で皿を打ってはいけない。したがって、左利き、右目利きのわたくしはにとっては、左回りのおすし屋さんが合っているということになる。ベースボールの利き手・目については少し、ややこしいので、いずれ、また。
（赤身が大好きである）
（〓ｚａｋｕｎｏｋｉｍａｇｕｒｅ）
おそらくであるが、店舗の配置（建物の面している道路あるいは駐車場あるいは出入口との関係、厨房の位置、厨房内における握り製造、皿回収の回転方向などがあろうか）によって、右か左が決まっているのであって、お客さんのことをアレコレ深く考えていないのではと思う。
回転すし屋さん（フツウのすし屋さんも）にあまり行くことがないので、そのスジの方、情報をお願いいたしますΩ
回転学については、引き続き。
