時の天蓋
海野町商店街の通りを一筋南に入った付近を本町(あるいは上常田・下常田町)という。ただし、今は中央二丁目という素っ気のない表示となっている。志゛まん焼きを見付ける前にそこが気になった。旧北国街道の横町付近から岐れた小路で、映劇の文字が確認できる。現在は複数のスクリーンをもつシネコンが8割を占める中(一般社団法人日本映画製作者連盟のデータ)で失なわれつつある?老館?である。大正期に芝居小屋として始まったと、港町キネマ通りというサイトに紹介がある。もちろん補修はされていらっしゃるのであろうが、当時の容が建物全体を蓋っている。このあたりを本町商店街という。隣はパチンコ屋さん、その間を曲がると、ちょっとした社交街があり、映劇同様、街全体が時の天蓋とでもいうのであろうか、ここだけが無暗な発展という魔物から護られている。
[上田映劇]
[パチンコ店]
[天蓋の社交街]
次は海野町通りの北側を志゛まん焼きをかじりながら進む。そのあたりを袋町という。本町より規模がやや大きそうな社交街があり、こちらは天蓋の一部が欠けていて、只今を象徴していそうである。呑ん兵衛というのは独特の嗅(醜)覚をもちあわせていて、昼でもこのような場所へ意識的に迷い込む。まさに、その瞬間に自分がゐる想いである。(画像なし)
弁天様がゐらした。妙光寺にあり、真田ののちに入城した上田仙石家世継忠俊の正室、浅野本家光晟(みつあきら)の娘亀姫が安芸厳島(宮島)から抱いてきたという。(東信ジャーナルより)
[亀姫様の弁財天]
前の通りを弁天前通りといい、袋町の北側流れである。少し行けば蛭沢川があり、どこかで千曲川につながっているのであろう。
タクシー代行車
お待ち合わせに。
(弁天前・喫茶)
NEW ビーナス
TEL 27・・・
あわの立つコーヒー
軽食
テレビゲーム
72inchワイドテレビ
入ってみたいとは思わないが、入ってみないと分からないという葛藤の中で、隣の駐車場のブロック塀の狭くごつごつとした台上で志゛まん焼きを包(くる)んでくれた小袋にメモだけしておいた。此処にも別の意味で時の天蓋を感じながら、川沿いに廃墟化した社交ビルの前でしばらく立ち竦んでいた。
[亀姫様がビーナスなのだろうか]
[素的]
原町(通り)に。(次続且終項)