お花堀
9日、所沢ののちにチョッとした所用でうかがったのは五反野とゐう処で、その帰り、同じ鉄路に乗るのもという気もちと春を感じに川面に出てみようかという若気で、とにかく、見当をつけて歩き始めた。お午に頂いた粉モノ2点をこなす必要もある。何度も繰り返すが、わたくしはかなりの方向音痴で、右も左も分からないが、いつか、どこかにたどり着くだろという「展望(見込み)」だけはいつももっている。
五反野に「ごたんの」という地名(住居表示)は残っていなく、足立区足立である(東側は西綾瀬、中央本町)。もとは異なる町・字名を冠していたが、合わさる時に困って足立区の足立を採ったという、したがって、ここら辺りが足立区の発祥ということではない。ただし、荒川河畔に立つとそれ(足立)でも良いと思えてしまう。一面とはいわないけれども、視線の中心には葦(よし)野原がある。足立はこの葦(あし)が立つ(生えている)様を称して「あ(し)だち」と謂われたという説もある。もっとも区のサイトにはこれを頑なに否定する姿勢がみえる(「足立」の地名由来 )。
《足立区という地名は「武蔵国足立郡」に由来しています。(中略)これをみると一説に言われる「葦が立つ」から「あしだち」から「あだち」という転化は考えにくいと思われます。》(同区サイトより)
その足立郡の「あだち」の由来を求められているようにとも思うのだが。
葦の向こうに天空の樹を眺めるのも仲々素的なことである。
[葦の向こうにスカイツリー]
遠景が不得意な携帯「写」であるため、解説を加えた。⇒がそれである。
[解説になっていないが]
荒川を少し南下すると千代田、常磐線、つくばエクスプレスそして東武伊勢崎線の鉄橋に到る。もう、大きく迷うことはない、これらに沿っていけば、いずれ、どこかに着く。右も左もない、だいいち、右は川がわたくしの彷徨いを遮ってくれている。
それでも鉄路が行く手を阻むので少し戸惑いながら、桜並木に出くわした。地元の方には申し訳ないけれども溝(どぶ)川である。
国土交通省のサイトに「水質ワースト5河川の変遷(昭和47〜平成18年)」というデータがある。綾瀬川というのはず〜ぅっとワースト3であり、30数年の間のうち1/3以上は美事、ワーストワンに輝いている河川で、直近(20年)の結果をみるとワーストワンに返り咲いている。今、わたくしが立っている川もその枝流と思われる(古隅田川とも)。はっきり分からないが、この川の止まりは「裏門堰排水場」となっており、その先に綾瀬川がある。したがって、水質は決して美事ではないが、花(サクラ)は美の事、まさにである。花が好きでないといえ、季節が良かったのか、散り落ちる花びらが溝を蓋ってくれて、まるで花のお堀のようで、たいへん、綺麗な想いをさせていただいた。
綾瀬川を駅方向に渡す伊藤谷橋の手前で止まった。方向同様に花音痴であるため、的を得ない。紅と薄桃色の花が同居している。紅はカンヒサクラなのだろうか、それすら分からないが、これもまたオマケのような娯(うれ)しい想いをさせていただく。
[集合桜]
[よくみると二本である]
向こうに写っているお宅でお聞きしようかと思ったけれども、それも迷惑、失礼なことである。我慢した。
観ることができただけで良いというものである。ありがとうΩ