写ランです

 以前購入し、使うことのなかったレンズ付フィルム(使い捨てカメラ)を部屋の隅から引っ張り出してきた。ISO1600という高性能なヤツである。ほぼ、コレに近い。(富士フイルム?サイトより)
 わざわざ引っ張ってきたのは来週、所用で使おうと思ったからである。ただ、本体の底面を覗くと、07年7月という(開封前)品質保証期限が記載されてあり、それ以降は「写らないかもしれません」と断り書きしてある。すでに、封は切っているので、現状はこれにあたる。撮り逃しが許されないため、新しいのを買おうかと思っている。

[鏡には写ルンですが・・・]

写らない

 ところで、この種のフィルム(正確にはカメラではないらしい)は、いったいどうなっているのであろうか。上記、FUJI写(社)のサイトには1986年7月に「写ルンです」発売とあるが、以来、デジカメ、携帯カメなどに圧されて、さぞ苦難の道を歩んでいるのだろうと、調べてみた。日本カラーラボ協会の資料館にあるデータである。

レンズ付フィルムの国内販売推移

 2004年に5,800万本とあり、その後、減り続け、08年には1,700万本。富士フイルムの歴史の中に2003年6月に出荷数10億本とある。前年11月の項には全世界で10億本とあるから、前者は国内と解釈してよいであろうか。おおむね17年間での達成であるので、年間平均6千万本という勘定になる。当然ながら、発売当初はその何倍も売れた(出荷した)のであろう。

 それに較べれば、落ち込んではいるが、それでも、いまだに、それだけ売れていることに感心する。
 
 只今、写真(現像)屋さんも大変だけれどデジ、携帯などのプリントなどで案外混んでいらっしゃる。わたくしも何度か利用したことがある。画面上より「紙」で確認したいというアナログ的な習性が、やはりわたくしどものDNAの一部に残っているのであろうか。あるいは、そのDNAから脱けだすことはできないのかもしれない。そのことが面白い。

 せっかく、出て頂いたのだから、ここにある写ランですは、わたくしごとにでも使ってみようかと、丁寧に埃を拭ってさしあげて、かつて、あれだけもて囃された頃の誇りを少しだけ取り戻していただけたかなと、先ほど、目の届く場所へと納めた。