春の日の山

 春日山城址を登った。「山」登りは金立山以来か、ただし、わたくしは、山の頂を求めているわけではなく、仮に目標が中腹にあれば、そこへ向かって、戻ることでも構わないと思っている。山はこの際、「どうでもよい」のである。とはいえ、この日は標高185メートルを昇りきった。仕方がない、そうでもしないと収まりがつかないからである。お山の大将はたいてい山の腹にはゐない。
 前夜は春日山駅最寄りの宿をとった。前々から、信越本線でこの辺りを通過するたびに、一度は降りてみようかと思っていたが、この日が初めてとなった。翌日、泊まり先から歩こうと予め電子地図で測っておいた3〜4キロを覚悟していた。しかし、この時季にしては暑いということ、また、前夕観察した限りでは駅には荷物を預ける術がなく、荷が重いことから、あっさり諦めた(宿は駅から結構遠く、荷を預けるつもりはなかった)。急ぎ、直江津駅への少ない列車便を調べ、向かった。観光案内所で城址方面行きのバスを尋ねたら、いくつか教えてくれて、折角だから、直江津の街を少し歩いて、それから出かけるというノンビリ便コースを選んだ。そのことは、また、書きたい。
 幸い、バス便は麓の山荘前バス停までで、そこから少し歩けば、お城址である。

[お城址手前の梅]※まだ、そういう季節であった

春日山梅画像0200

 只今、案内所で戴いた「平成版・春日山城絵図」を照らしながら記している。ご城内に進むと、まず、カタクリが眼に映える。春日山神社手前にお店があって、駐車場もあるので、そこらあたりに人がまとまっている。ここからは約1時間(急げば)のお城巡りである。絵図の案内には、どう進もうと、元に戻ることができるとあるが、方向音痴のわたくしには不安いっぱいであるけれども、もともとお城というのは外来者に分かりづらい仕組みになっているはずだから、どうということない、構わず、あてずっぽうに攻めてみた。

カタクリ]※肉眼ではより青が映える

カタクリ画像0198

[ほぼ山頂〜本丸]

びしゃもんどう画像0199

 途中で湧水をみかけたが、悪い癖で、記録をつけていないため、何であったのかが分からない。絵図などには御前清水、景虎清水、カメワリ清水(いずれもみていないが)などがあり、お城の要となる大井戸(これは見かけた)も。大手道を外れて桑取方面への土地は少し低くなっており、印象では湿々(じめじめ)している。もともと雪の多い土地であるから、水は豊富なのであろう。

[仮称、メモヲトロウネ清水]

春日山湧水画像0201

 いちいち図を確かめて歩いていないが、毘沙門堂を経て、本丸に至り、二の丸、三の丸あたりを下りたようである。気がつけば、本当に元の場所(神社)にゐて、このまま帰るのも、と、思い、林泉寺方面という標に遵ったが、春日神社も林泉寺も寄らずに過ぎ、大豆(だいず)という土地から春日山駅まではもうすぐの距離にあるが、荷物は直江津に預けている。途中、バスを待ちながら、これから数時間揺られる列車(乗り換え2回を含む)でどう過ごしたものかと、考えていた。

 実をいうと、この日(3月21日)の暑さというのは、それほどのことではなく、むしろ、前後に較べると寒いと表したほうがよい。気象庁サイト(高田の3月〜ひごと)を検めてみると、最高気温は12.1度、18日は25.8度とあって、翌日も夏日(25度以上を記録)、富山にある北日本新聞社の記事には、全国各地で観測史上最高気温ともある。
 暑さ寒さも彼岸まで、と謂うのは「まで」ではなく、暑さも寒さも混ぜこぜの「まぜ」のことかと、どうでもよいことをこっちの岸で耽っている。
 冬戻り、この二、三日は、おかしな陽気でもある。

(金立山関連拙ブロ)
不老不死(07.04.05付)
不慣れ(07.04.07付)