秋葉(紅黄緑葉)

 月初に麓へ。たちまち風邪を誘(いざな)い、週半ばに小康したが、再訪を許してしまった。ただ、その間隙を縫って、其の麓から少し遠くにある山まで紅葉を眺めにうかがった。
 途中、木崎湖畔にあるお知り合いを訪ねた。もう30年も前に八方(白馬)でアルバイトをしていた時分に此湖のボートと戯れていたことが今となっては心恥ずかしい。お暇して、やはり、その頃、バイト仲間と訪れた栂池が今回の目的地である。当時は車の乗り入れが可能であったから、すいすいと現在の自然園辺りまで登ることができたが、自然保護、オーバーユースという観点からであろう、バスによる運行(輸送)を経て、96年よりゴンドラ・ロープウエイに替わったらしいが、地上駅(栂池高原)から乗り換えて自然園前までの過がらの眺望が素的で、却って、得をした気分である。
 浮島湿原までやや狭峻な径をそれぞれ一時間ほど歩く。あいにく周りの山々を仰ぎみることはできなかったものの、往きには標題の如く、彩りに囲まれて、その美容に見惚れていた。

[浮島あたり]

栂池紅葉画像0124

 復えりはというと、すれ違う人もいらっしゃるが、上る側が下る側を優先するのがマナーのようで、気をつけてという顔で、待ってくださるから、足を取られたり、挫かないよう、気をつけながら、それでも意地汚く、回りの木々に目を遣る。何の木かは分からないが、標高は2000メートルに近い、厳しい風雪に耐えながら地へ延びようとする姿が愛らしく、13年前に訪ねた天売島のオンコ(イチイ)の木が重なった。(拙ブロ:おろろん(天売)・おんこ(焼尻)…?05年3月5日付)

[風雪を避けるように下へと延びる枝々]

栂池折れ木画像0130

 汐風に中りたかった。そのまま、北を走り、日本海へ。まだ、日の落ちぬ刻に間に合った。相変わらず、素っ気のない暗い表情で迎えてくれた。
 その後、越後高田に向かう。