偲ぶ山

 信夫(しのぶ)山というのは福島市街のどこからでも導(しるべ)となる。逆にいえば標的にもなるので、お城の対象にはなりにくく、むしろ信仰の山として貴(たっと)ばれてきた。同山は「御山(おやま)」と呼ばれ、西から羽山(はやま)、羽黒山(はぐろさん)、熊野山(くまのさん)、いずれも260メートルほどの小峰が並んでおり、それぞれ月山・湯殿山、羽黒、金華山を祀っている。電子地図をみると、ほかにも神社、お寺が同居しており、峰全体が霊験で満ちている。

阿武隈川沿いに望む]

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 宿からみるとこうなる。(翌朝の朝場景)4/22

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 傳光閣の方に「岩谷(いわや)観音」のことをお聞きしていた。先ほどまでは実は其処をめざしているつもりであった。しかし渡るべき文知摺橋は渡らずに、河に沿っていた。お山に見惚れていたからでもある。

 三本木橋左岸でみつけた珍しいお役所仕事。組織の合併・編入があるたびに名称をかざした看板や木板が「すぐに」取り替えられる普段の役所仕事とは程遠いことに半ばあきれていたが、これ(下画像)は経費節減のためには良いことかもしれない。事業仕分けのコツはこういう細かいところに目を配ることである。右は意外にごつごつとした岩肌が印象に残ったので撮っておいた。写っていないが、釣り人もひとり。地図でもって河を遡ると紆余曲折して?西郷村に行き着く。南はもう那須町(栃木県)でもある。訪ねたことはないが、近くまで(8km手前)はある。もちろん河のことを意識していたわけではないが、果てまで来たという印象は未だに消えていない。

阿武隈の語源は大曲(おほくま)という説もあり、本当にくねくねしていて、源流に向かうほど所在をみつけづらい]

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 福島駅に着いた際、改札内に束ねてあった小冊子を旅の足しにと頂いたが、その一葉に「よらんしょ! 花のふくしま」というのがあって、あまり興味もないものだから、チラッとみただけだったが、構内及び駅前に黄色のお揃い着を羽織った方々が大勢いらして、何かと思えば、『花見山』への案内を(おそらく)ボランティアを買ってでていらっしゃるのであろう。改めて冊子をみると紹介されていて、このことはあとでで知るが故人(阿部 伊勢次郎さん)の遺志を引き継いで今も入園料を徴らずに開放している『花見の御山』であるという。福島を訪ねた頃は花どきでもあって、県内外からそれ目あてに来られている方も多い。51日間で32万人、最大1日4万人という記事を、これもあとで知った。(福島民友新聞社

 この日もたくさんの方がいらしたらしい。

 迷って川沿いを進んでいくうちに様子が変わっていくことに気づく。もちずり観音から此処まですれ違う人はほとんどいなかったが、にわかに増えた。近くにゴミ焼却による余熱を利用した温水プールとお風呂の施設があるので、そこにでもと思っていたが、そういう数ではなかった。下の画像で確認できるであろうか。河川敷に「花見」の車が満ちていて、ここ(お風呂の前)から臨時のシャトルバス(有料)に乗って花見山へ向かうらしい。ココから先はマイカー乗り入れ禁止(カーフリー)となっているそうである。
 せっかく川づたいに歩いているのだからと、川面傍に降りてみると、出る車来る車に轢かれそうになり、あきらめた。

[河川敷駐車場は満杯]

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 競馬場脇を通り、国道4号へ、五老内町(ごろううちまち)付近でみつけた「か当や」、建築中の新・市役所を囲むように福島百景のような写真パネルが飾ってあり、それを横目にみながら、国道13号付近までたどり着くと、「ゆずみそカツ」の看板、朝からろくに食べていない、もう16時を疾うに回っているからか、飯屋さんが眼につく。2店とも定休日のようであったが、開(あ)けていても入るつもりはない、もう一時間もすれば、どこかで呑み屋さんが待っているだろう。

[か当や]

 おそらく、ご店主が加藤さんなのである。商いが当たるようにということだろうが飲食店だけに「当たる」はどうかとも思う(余計なお世話Ω)。

か当屋

競馬場のメニューにもある「ゆずみそカツ」とは?ゆず風味の味噌かつ?]

 ゆずなのにサンキストというお店である(ゆずも柑橘類だから、それで當たりか、そう思うとシャレている)。(ゆずみそカツ定食の図)

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(メニューに誤植〜しょううが焼肉定食〜をみつけた、余計なお世話Ω)

 13号を南下すれば宿(福島駅)の方向へ。

 ただし、そうはいかなかった。ゆずみそカツのお店サンキストは天神町にある。それに曳かれた。(ニ続)

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