専門性

 所用のあと、駅ビルに寄った。意味はない、バスを待っているだけのことである。

 各階ごとのエスカレーターを降りながら、ふと、見かけたお店と気になっていたバスの刻が重なった。

 「専門性」

 ということが少しだけ頭にあって、

 「あ〜あ、そういうことだったら、何某の専門家に〜〜〜」

 と言い(考え)がちであるが、

 その店というのは時計屋であったが、刻を確かめる際、その専門性を有しているお店ほど当てにならないと、それぞれが気ままな時を刻んでいる「時の器械」を一瞬のことだけれども見ながら、誰も時計屋で刻を確かめることはしないだろう、と、あらためて、思った。

 明日から麓に少しゐる。