グループ・オブ・「シ」ベリアケーキ

 所用の帰り、シベリアケーキをマーケットで購入した。昔、食べていたのは三角形であったと思うが、この度は長方形である(L9×W3×H4センチ)。画像のように置いてみると、地層のようにも。外側に薄いカステラ皮膜層、中央にアンコ層(H1センチ)がぎっしり詰まっており、生地層がその間にふんわかと、しかし、アンコをしっかりと包み込むように挿(はさ)まれている。アンコはコシアンであるが、昔は緑アン(うぐいす)をよく食べていたと記憶している。なお、表示価格より20%割引に釣られた。

[シベリアケーキの断層]

シベリアケーキ画像0026

 そもそも名の原(もと)が分からないらしい。ヒントは断層にある。東京・文化放送(ラジオ)に「ドコモ・コミュニケーション・タイム たまり場」という番組があるそうで、そのサイトに詳しいので、引用する。

?断面の模様がシベリアの「凍土」に似ている。
?革命軍に追われて日本へと逃げてきたロシア貴族の娘が、シベリアの「凍土」を思ってつくったもの。
?カステラはシベリアの「ツンドラ」か「黄土」を、羊羹は「黒竜江」を表す。
?カステラはシベリアの「ツンドラ」か「黄土」を、羊羹は「シベリア鉄道」を表す。
?シベリア出兵にちなんだお菓子だから。
?日露戦争に従軍した菓子職人が最初につくったもの。
?カステラはシベリアの寒波をしのぐ「オーバーコート」をイメージしたもの。 等

 ?〜?が「断層」系の由来説である。じっくりと見つめてもシベリア鉄道には結びつかないが、細かいことは良い、あくまでも「お説」である。

 同じサイトのページ下に、

『明治時代の末期から大正時代の初期にシベリアを食した』

 という「大東京うまいもの食べある記」(白木正光さん)の記述があるとも。これらを考慮して、1905(明治38)〜17(大正6)年頃に生まれたとしておく。亡命ロシア人の中にはベーカリーやケーキ屋さんを営む方も多かったともいわれるので、もしかしたら、逃れてきた貴族の娘(例えば、アナスターシャ、カチェリーナとかね)が出来たばかりのシベリア鉄道に身を潜めて、命からがら、(日本に)落ち、着いて、その際、眼に灼きついた荒涼なシベリアをある日想い出して、パン屋で生計を立てているが娘一人の学費も心許なくて、申し訳ないね、と、ことあるごとに漏らしていた両親に話したのがきっかけ・・・なのかもしれない。

 カステラはポルトガルが発祥と思っていたが、スペインともいわれている。バスク地方と謂う説もある。伝わったのは江戸時代、オランダからであるらしい。

 標題は来たる年のワールドカップを想った時の組み合わせのひとつである。グループ・オブ・デス(死の組)はしばしば話題にのぼることであるが、直近ではUEFA欧州選手権’08におけるグループC(オランダ、イタリア、ルーマニア、フランス:左から本大会予選の順位による)があるが、デス(Death)の頭文字をとり、D組がそう(死のグループ)であったりするとなおさら盛り上がる。ちなみに同大会D組はスペイン、ロシア、スウェーデンギリシャで(最終順位による)、C組に劣らない死の組でもあった。

 ただし、日本語的には死(シ)はC(シー)であろう。

 只今のところ、日本、オランダ、そしてスペインが本大会出場を決めている。これに、ポルトガル、ロシアのいずれかが同じC組になると考えると、シベリアケーキの組が出来上がる(できることならロシア、応援したいのはポ)。もちろん、誰も興味を示さないだろうし、同じ組に欧州勢3チームはありえない?。ロシアはグループ4(アルファベット順ではD)の2位、プレイオフへの出場が可能な位置にある。ついでに記すとグループ5(Eスパニョ〜ル組)はスペインが決め、ボスニア・ヘルツェゴヴィナがトルコの追随を避(か)わそうとしている(プレイオフ出場権)。ポルトガルは苦戦しているが、まだ望みがある。Cリスチアーノ・ロナウ(ル)ドさんもいるのにね。

[GROUP1]※FIFA.comより※09年9月15日現在

TEAM(Pts;勝ち点)

Denmark(18)、Sweden(15)、Portugal(13)、Hungary(13)、Albania(7)、Malta(1)

 (個人的に)注目しているグループ3(C〜シ)はワンツーフィニッシュも可能な状況にある。旧東欧4チーム、うち2チームはかつては「同じ国」、他2チームもある意味特異な事情をもっている。

[GROUP3]※FIFA.com

TEAM(Pts;勝ち点)

Slovakia(19)、Slovenia (14)、Northern Ireland(14)、Czech Republic(12)、Poland(11)、San Marino(0)

 シベリアケーキのことであるが、2割引なので、消費期限も迫っている。4ケ入りのハーフタイムまで漕ぎつけた。しかし、残りのハーフが大変なのである。明日、新幹線の車中で抓んでいようか、と、これからクォータリーさらにはオクトナリーにでも刻もうかと思う。