こういう日もある

 10日は乗る予定の路線いずれもがトラブルで、所用には十分間に合ったけれども、(所用を)始める前のまったりする時間がとれなかった。皆さん方もそういうつもりでなかっただろうから、朝の駅はプラットフォームに下りる階段で駅員さんが入場制限するほどの混雑で、幸い、わたくしは次駅で乗り換えたが、そのままの方たちは新たに膨らむ乗客を加えて、大変だったであろう。原因の一つは相互乗り入れという仕組みにあると思う。A社とB社さらにC社へと乗り換えることなく、目的地に向かう際には便利なのであるが、仮にB社のどこかでアクシデントが生じた場合、AとCは寸断されて、機能しなくなる。A−1駅からC−7駅に向かうところ、B社線が存在しないと、真っ直ぐに行くことはできないから、途中で乗り換える。それが、当日の行動である。
 所用を終え、B線の回復が終わっていないとの情報を駅で知って、行きと同じ経路を戻った。そこで、ハプニングは起きた。通常、降りることのない駅で、ここでは乗り換えはいったん改札を経る必要があるので、出て、別の改札へと向かう途中のことである。
 突然、呼び止められて、
 「もしもし」と、わたくしより小柄で、ただし、体格ははるかに良さそうなおにぃちゃんが、たどたどしく、
 「最近、駅構内で[武器]を携帯する案件が多いため、恐れ入りますが、荷物の検査をお願いしたいのですが・・・」と問いかける。
 制服をよくみると、警視庁という徽章が眼に入った。だから、どうということではないけれども、
 「なぜ、わたくしなのか、分かりませんが・・・」と、周りに大勢いらっしゃる中から選んでいただいた理由をとも思ったが、素直に荷物を渡す。ただし、片手でしっかりと握っていた。もしかしたら、新手の詐欺(盗っ人)かもしれない。職質というのか、それ自体は、むしろ、空港の手荷物検査のほうがよほど緊張する程度のモノである。だいいち相手が入ったばかりの若者で、彼にとっての研修みたいな雰囲気があって、裏で先輩署員が見届けていたのかもしれないが、却って、その不慣れさが気の毒にもなった。新入り君、頑張ってね。
 もちろん、武器は携えていないので、問題はなかったが、どうして、わたくし?が残っていて、自分なりに当日のわたくしを整理してみた。
(1)丸刈りにしている
 もう、何年か、QBハウス規格の6ミリ、他では5ミリを続けている。只今は刈ってひと月あまりであり、ちょっと、怪しい(決して、丸刈り=怪しいということではなく、あくまでも、わたくしが、ということ)。
(2)早足であった
 実は改札に向かっていたのではなく、トイレを探していた。
(3)顔の表情などやや険しかった
 この日は花粉症状がひどく、鼻、眼、頭、頚、とにかく、辛かった。
 以上を総合しても、著しく怪しいとは思わないのであるが、新入り?さんにはそう見えたのであろうか。ちなみに所用なので、背広姿(上はグレー系、下がブラウン系〜趣味は決してよくない〜)、ネクタイ着用、ただし、背のリュックは怪しいかもしれない。
 わたくしの中では、やはり、職質相手の見極めの甘さがあったのではないかということしか、わたくしが選ばれた理由が思い当たらない。今頃、先輩に同じことを言われているのだろうかと、彼を探すと、腰を低くして、次の検査相手をと、うろうろしている。研修を当分続ける必要がありそうだ。
 トイレには行きそびれた。

 うっかりしていたが、前回の続きである。ヴォーリズ氏は設計・建築家という足跡もある。主な建築物については、一粒社ヴォーリズ建築事務所サイトにある「建築作品」に詳しい。拙ブロ:旧居留地38番館(07年8月4日付)〜大丸神戸の別館は氏による設計である。ほかに八幡で訪れた旧郵便局、山の上ホテル(東京)、豊郷町立豊郷小学校旧校舎などもそうだという。

[旧八幡郵便局から新町通りへ抜ける傍で、不審者、はたと停まる]

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