葆光

 [葆光荘〜ほこうそう)]テンアベ(またはアベテン)駅から徒歩3分の脇道にある

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 のっけから宿の紹介である。逢坂及び茶臼山を下りきった箇所に天王寺阿部野橋駅(テンアベまたはアベテン)があって、わたくしはテンの方に向かっていた。堀越神社から谷町筋を渡って、同筋の左側(北を背にして)を歩いていた。もう、駅の賭場(とば)口というところで上記の看板にぶつかった(実際には見つけただけ)。読めなかった、実は今でも読むことができない。ただし、艸(クサカンムリ)であることは分かる。葆は『ほう、ほ』と辞書にあるが、同旅館では「ほ」のようで旧サイトにそうあり、また、新サイトのアドレスにもHOKOUSOUとあって、HOは伸ばさないようである。意味はむずかしい。葆は包み隠す、または、草が生い茂るであり、葆光となると「荘子:斉物論第二」へさかのぼることになってしまった。もちろん、わたくしの空っぽ頭の中にはなく、よそ様のサイトから借用する。

 『光をつつみ隠すこと。すぐれた知恵・才能を隠して表面にあらわさないことにたとえる。』とある。※漢字家族BLOG版(漢字の語源)より

 手前(筋に面している)には能勢茶舗という素的な刻盤があったので撮ってみたが。

[素的だがうつっていない]

茶店看板画像0094

 両者ともに艸(くさかんむり)であるところが楽しい。四天王寺から下る谷町筋沿いの一帯を天王寺駅前商店街といって、それと交叉するように横路地(丁)があって、昼間から暗い。保光に非ずであるが、そのぶん宝(光)を隠し持っている。こちらを阪和商店街というらしい。大阪日日新聞の「日曜開店 商店街日和」という連載の中に記事をみつけた。引用すると、
 『JR天王寺駅を北へ出るとすぐ。細い路地と古い商店建築が並び、「本物のレトロ」が残る商店街。年月を経て味わいが出たアーケードからはあたたかい日の光が入り、昭和の情緒を醸し出す。物見しながら歩を進めると、自分の中の人情味めいた部分がわき出てくるような気がしてくる。』(同記事より)
 お天気の加減か時間帯のためか日の光が射し込んでいるようには感じることはできなかったけれども、光はひけらかすものではないのであろう、と、路地からささやかれたような気もちに今はなっている。

[横路地〜葆光荘通り]※仮に名づけ

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[横路地〜長ゐ通り]※同上

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 長居したいので、この光はまたの機会にと思いとどまり、この項も終わりにしたい。

[靴・雑貨の露天商]

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