浪華茶臼山・堀越神社

 堀越神社を訪ねたいわけではなく、宿へ戻るための駅を探していたというのが正直なところで、要するに迷っていただけのことである。一心寺を出て、その脇道をはさんで同寺のホール(一心寺シアター)を横目に見ながら、谷町筋に抜ける。その角に神社があった。というより、遠目にずいぶんと賑やかだなぁと社内に小振りの提燈がいくつも吊ってあるのが気になって、近づいてみた。

堀越神社]※木から提燈がぶら下がっている?

堀越神社

 柘榴(ざくろ)であった。植物にも疎いわたくしであるので、あとで調べると、財団法人大阪市スポーツ・みどり振興協会のサイトに大阪市保存樹林一覧があって、そこにザクロ1本と記されていた。その表にもあるが大きなお社ではないから、ザクロの実一つ一つが大きくみえる。まだ、弾けておらず、果皮の色も薄いようである。ザクロの食べ頃を意識したことがないので、当てずっぽうであるが、10月中旬か、ただ、今月はじめに大阪を訪ねた際、地下街の果物屋さんで売っていた。どこぞからの輸入品なのかもしれない。

堀越神社の柘榴

柘榴か

 同社のサイトによると、聖徳太子の建立だとあり、ほぼ四天王寺と同時期ともある。また、

 堀越さんは一生に一度の願いを聞いてくださる神さん

 といわれているそうだ。

 ずいぶん厳格でいらっしゃるが、これでは何度も詣でる必要はなく、たった一度で良いというずるい考え方もできる。ただし、いつ行けば(良いのか)が大きな問題となる。わたくしなら、生まれたその場から母親を置いてでも馳せ参じて、長生きしますようになどと勝手なことを祈ってしまうかもしれない。あるいは、死ぬ間際に、不老不死を願ってみる。と、まぁ、冗談なので流していただきたい。

 [熊野第一皇子之宮]ここから熊野ふるみち(古道)が始まるらしい

熊野寺一ノ宮(堀越?)

[これから蛙]※実際はこのあと四天王寺に向かったけれども

堀越の蛙石

 海柘榴市と書いて「つばいち」と読む。古くからの市場であったらしい(桜井市観光情報サイトより)。

 ここで守屋と厩戸は逢っているのであろうか。

 茶臼山は標高20数メートルだそうで、天王寺阿部野橋駅に向かって下り坂となり、駅あたりが鉢の底にある。再開発も行なわれて町の姿もずいぶんと変わったが、まだまだ、古き姿容も残っている。
 この項、もう少し、続けたい。