メサージェのメサージュ

 風邪気味(やや関節痛と常的プラスαの攣り)を圧して、六本木まで出かけた。招待券が残っていて、それが明日までと、これは正真正銘、期日が迫っていた。森美術館もそうであるが、ヒルズ自体、初めてで、人が多すぎて、戸惑った。日本一標高の高い美術館はおそらく美ヶ原高原美術館だと思うけれども、森さんもかなり高い。お値段もそうで、わたくしの場合、今回は只なので来ているといって間違いない。ただし、アネット・メサージェさんの作品は楽しかった。これまでの少ない鑑賞経験であることは擱くが、胃袋のような、血管のような(流)動形美とでもいうのであろうか、いっとき、その場に留まって、観ているしか術はなかった。未確認ではあるが、子宮内の血流ということらしい。作品の正面に席が設えてあって、道理で、そこは大半が女性に占められていて、ヘッポコな♂は上(傍)から眺めているしかない。
 ジェラシー、あとは何であったか、のちに観た作品にも同じ綴りが網糸で紡がれていたが、もう記憶から飛んでいる。ウェディングドレスだったか、木箱に納められていて、それが硝子板に蓋われている。その「セット」が壁掛けになっているので、観る側からは、やはり、硝子漉しである。ただ、サバと違って、アネットさんの作品に用の美とかいやそうではないという考えは通じなくて、木箱は気分によっては棺と想うこともできるし、もしかしたら、これから生まれてくる赤子(胎児)への贈り物なのかもしれないと感じることもできる。
 アネットさんは「芸術には答えはなく、問いのみである」と謂う、そのメサージュにはとても応えることはできないけれども、彼女もそれで良いと仰言っているので、むづかしくは考えたくない。
 ついでだから、展望テラスにでてみたが、高所遠慮症のわたくしなので、かなり腰を退いて撮っている。屋上(SKY DECK)にも「昇」ったが、ただ、それだけのことである。
(残念ながら、同展〜Annette Messager:The Messengers〜は明日でおしまい)

[展望テラス(TOKYO CITY VIEW)から]

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 高い所に上ると、東京タワーを探す、撮る、そういうことを、検めることができただけでも、良かったし、なによりも、アネットさんとその作品たちに、

 HAPY