船場(せんば)

 標題の辺りを何度も徘徊していて、気になったのが「カリー」である。所用の時間が迫っている際など利用されることはないだろうか。わたくしは、ない。そのような状態で食べるという行為ができないからである。ただ、街場のカレー屋さんは気になる。その最新が「船場カリー」屋さんである。入ろうと思った。滞在二日目の土曜日、都市リゾートのこの土地では休業のお店が多く、朝のモーニングコーヒー後の遅いブランチ(といっても、もう日はとっくに暮れている)を欲していたので、さ迷った。この日はIKEAにも行ったのであるが、とうとう、ここでも、何も口に入れていなかったので、本店前を歩いていて、余計に気になった。ただし、わたくしの中に、大阪でわざわざカレーもねぇというワガママなコダワリともう少し肴がありそうなお店に入ろうというイヤシサが合い混ざっていた。カリー屋さんにおいてはそのような心持ちでは身の置きどころがないように思う、結果は、拙ブロ(艸絲、08年9月30日付)のとおりで、道修町の居酒屋さんを択んだ。あとで、昨年閉じた「横濱カレーミュージアム」に出店していらしたと知るが、今からでは遅い。カフェ沖縄式にも行くことができなかった(拙ブロ:まだ冷たい手のひらに08年4月1日付)。せんば自由軒も出店されていたそうであるが、こちらも何店かみかけた。「インデアンカレー」というのも歩いていて何店か目撃した。せんばとインデアンは東京にあるそうであるから、いづれ、急ぐ所用のない日にでも伺いたいと思う。
 さて、船場カリー本店を過ぎて、ふと、また、気になって、手前にあるアネックスというお店に行こうと、ビルの2階に上がると、もう営(やっ)ていなかった。あとで調べると、定休日ともあったけれど、(たしか)店内にお人がいらした(仕込みなのか)。ここも、いづれ

 カレーを食べるというシチュエーションは、最初に記した所用までの短い合間を除けば家庭の中以外ではむずかしい。

 あ〜、ちょっと、話があるから、カレーでも食べないか?
 今日のディナーは、ちょっとオシャレして、カレーにしようね、

 いずれも、とりあえず、ありえないのではないだろうか。

 庶民の味、といってしまえば、それで終わることであるが、その割に手間はかかっている。お誘いを受けたほうも、喜んで、あるいは、まぁあ、嬉しい!ぐらいの反応をしてもよいと思うけれども、おそらく、どなたもしない。
 もちろん、ワガママで、イヤシイわたくしが落ち着ける場所ではないから、!はない。

 カレーって、不思議な存在である