風邪をひく

 「風が吹く⇒砂ぼこり⇒盲人⇒三味線⇒猫の皮⇒猫が減る⇒鼠が増える⇒桶をかじる⇒桶屋が繁盛する」
 というのは、よく謂われたことである。
 先々週末から山麓にいるが、今のわたくしは、風邪っぴき状態である。ただし、洟垂れで(まあ、いつもそんなようでもあるけれど)、花粉症ではないかという疑念もある。裏づけというほどではないが、高い発熱にもならず、関節痛も日常的な許容範囲でしかない。だいいち、タバコがオイシイ。とはいえ、用心のため、日に二〜三包の葛根湯は欠かすことなく服用しているので、とうとう、手持ちが薄くなった。そのうえ、睡眠も十分すぎるほど摂っている。しかし、なかなか、「はなたれ」が抜けない。人・性格的ハナタレはともかくも、生理・物理的な洟垂れの方は、早く治ってほしいと、ただただ、願うばかりである。
 風が吹くと桶屋が儲かる、ついでだから、風邪をひくと儲かるのは、を、考えてみた。ハナタレ的な思いつき、そのものである
 「風邪を引くと鼻を〓む⇒ティッシュ(わたくしの場合はトイレットペーパー)を使う⇒材料となる紙チップが必要⇒(再生紙もあるが)森林伐採が増える⇒禿山が増えて保水力が低下する⇒大雨時に平地において洪水が頻発する⇒(水をすくうために)桶屋が儲かる。あれれ、そういうことなのであろうか?
 アメリカ発の風邪が蔓延しているそうだ。でも、必ず、どこかに桶屋がいるはずなのである。