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 その年に売れた、流行った、創(は)じまった、そのような観点より、前回、日経トレンディ誌の「ヒット商品」を考えてみた。くどいけれど今回はSMBCが90年以降、発表している内容について記す。基準は同じで、ランキングの一切はSMBCコンサルティング株式会社に拠る(ヒット商品番付)。また、●は最近もなじみ、▲は行ったこと、買ったことがある、×は行ったことも、買ったこともない程度と考えていただきたい。

SMBCランキング/日経トレンディーのNO1
(K)その年のキーワード(SMBCによる)
※付きは、わたくし的勝手な考えかた

90年▲ニューエンターテイメントセンター/▲水族館
(K)キーワードはE、環境とか、エコとか、ただし、アルファベットによる表現は翌年までで終わってしまう。
※ニューエンタ・・・?葛西臨海水族館や海遊館を指すらしいから、トレンディ誌(以下、ト誌)と変わらない。東前頭6枚目のログハウス、今は朽ちている場合も多く、ミットモナイ。

91年●カルピスウォーター/●カルピスウォーター
(K)R、Revival&Recurrent、RealでReal TimeあるいはRecent、Reasonableらしい。
※二年連続、ト誌と同じとは・・・、確かに、カ・ウォーターは美味ではあるが。

92年該当なしであるが、▲アミューズメントセンターが東大関で実質的な1位/▲大型ゲームセンター
(K)アルファベットをやめて、急に長くなった。「割・環・自・粋」型商品。「割」=割安感、「環」=環境への配慮、「自」=自分らしさ、「粋」=気取らない本物の良さ、ということだそうである。
※割勘自炊は、ちょっと、いえ、かなり、わびしい気もする。東小結(7位、実質5位)にカラオケルーム、西小結(8位、同6位)に オートキャンプ&RV、やはりト誌に似ている。西前頭5枚目にJリーグが先取りランクイン。というのは、独自色を出したいがためなのかもしれない。

93年●Jリーグ/●Jリーグ
(K)「ニューカテゴリー」創造型商品。
※要するに安っ、弱っ(Jリーグ)ということだろうか(先取りしたのにね)。西横綱空位。東大関(実質2位)に激安ショップ、食べ放題レストラン(東前頭6) 、屋台村もランクイン(西前頭6)と、コッチでも、やはり「安っ」が上位に。マグヌードルもしっかり押さえていた。確かに今(92年)までにない領域、通称、ニッチビジネス(隙間産業)が成り立ち始めたころでもある。

94年●格安輸入ビール/●輸入ビール
(K)価格破壊と新しい価値や関係を創造する芽
※(くどいけれども)安っ、なのであろうか。横綱不在で、東大関が実質的な1位のため、ト誌と同じということに。なお、この年の流行語大賞に「価格破壊」がランクインしている。

95年▲パソコン&「Windows95」/▲マルチメディアパソコン
(K)はっきりしない。モノから機能へ「生活達人」御用達商品というのが冒頭にあって、少し引用する。
 《阪神・淡路大震災地下鉄サリン事件など予期せぬ大災害に見舞われた混乱の95年は、ようやく次の時代のヒット商品の姿が見え始めた1年であった。しかしながら、新しい主役の姿はなお漠然としている。なぜなら従来の商品がモノとしての明確な形をもっていたのに対して、新しい主役たちは形よりも機能としての存在価値をもつからである。そして、その機能を十分に発揮させることができる「生活達人」たちがこれらを手にしたとき、新しい主役の姿がはっきりと見えてくるのである。》
※震災やサリン事件が踏み石のような表現にも思われる気もするが、それは擱いて、キーワードのトーンが、92年以降、かなり威勢が良くない。(仕方がないか)
※東前頭5は消臭用品、同西5枚目は中高年パソコンスクール 、直接関係はないとは思うけれども、消臭≒中高年(おじさん)はヒット商品のカギになってそうである。

96年●携帯電話&PHS/●インターネット
(K)「I」=Infomative&Interesting、「S」=Safe、「D」=Digital、「N」=Natural。
※これは、西大関を捩(もじ)ったのであろうか。西横綱空位大関はモバイル情報機器(東)と 「ISDN」、要するにインターネット関連ということでト誌と同意見のようである。西前頭3の茶髪はどうなのだろうか。もう少し前からではとも思うけれど、金髪でなく金融関係(SMBCコンは三井住友銀行系である)的にはこの年に認証(茶髪にも金貸してあげるよ〜)なのだろうか。大相撲には茶髪はいなかったか、少し気になるけれども、本日は省く。

97年×たまごっち/×たまごっち
(K)こどもっち型ヒット商品がキーで、「子」…子供向け(子供がえり)のヒット商品 、「携」…小さくて、いつでも手軽に、「育」…育てる過程を楽しめる 、「憩」…ささやかな憩い・安心・便利で安い、ともある。
※子携育憩、捩(もじ)りを見つけることはできなかった。(凸ケイ凹ケイぐらい)ポケモンチャイドル、キティちゃんもランクインしており、KIZがKEYには違いない。

98年●タイタニック/●タイタニック
(K)消費新時代幕開け前夜の「型破り商品」と謳い、「感動」が型破り、「形」が型破り、 「中身」が型破り、「売り方」が型破り、という傾向があると指摘している。
※両横綱不在、東大関タイタニック麒麟端麗生もVAIOも上位ランクインはト誌と同じ。解説をみると、そうなのかなぁとも思うけれども、できれば、「型」ではなく、「殻」を破るようなモノ・コトを期待したい気もする。閉塞感はそう簡単には開くことはないけれども、そのような(殻破り)観点からすれば、西前頭3枚目ながらも、中田英寿選手がいらした。

99年×「i−MODE」VS「cdmaOne」/▲宇多田ヒカル
(K)21世紀型ニューカテゴリー商品の「胎動」である。異次元の機能や性能、次世代を担うスーパールーキーたち、価格・性能比は厳しく、やはり強い「優しさ」と「定番」とも。
※2年連続で横綱不在、西大関は宇多田である。だんご3兄弟も健闘(東前頭3)、たれぱんだ(西前頭5)に勝った。なんだか、要素がたくさんありすぎる。むしろ、この年こそ、型破りが目立っているのではないだろうか。宇多田ヒカル、松坂・上原スーパールーキー 、10万円以下パソコン、ヴィッツ乙武洋匡、EGOISTなどがそれにあたる。

00年●ユニクロ/●ユニクロ
(K)20世紀型ヒット商品の次に来るものは?
横綱はまだいない、iモード、プレイステーション2、IT革命と続くけれども、あまりぱっとした感じがない。キーワードにもあるが、21世紀に期待!ミレニアム、世紀越えというのも少し流行った。

 ということで、01年以降は次回に。