北関東垂れ記Ver07.02.(前橋終端)

 地名というのは普段それほど話題にもならないことだけれども、誰もが意識「下」の中にあって、ある時、表にあらわれることがある。市町村合併という、現制度の内容および意図からすると、まことに莫迦馬鹿しい事項においても、しばしば、そのことが表出した。四国中央市というのも、ぅ〜と思わせられたが、つくばみらい市ともなると、もともとない、わたくしの思考力が混乱し、山梨県の例では考えさせられてしまう。新しい市名で話題になったのは南アルプス市であるが、これ自体は、アルプスという地名というか山岳の名づけを行なった時点に戻らない限り、議論はできないのであろう。アルプスは日本ではない、外から持ってきたモノだという反対論もあったけれど、では、東京は?京都は?ということまで考え出したら、きりがなかろう。本日は考えないことにする。山梨には甲府という県庁所在都市があって、書くまでもないが、甲州(甲斐の国)の府という意味に近い。静岡を駿府というのもこれにあたる。合併により、その甲府を挟んで東の方に甲州市ができ、また西側には甲斐市が。少し詳しく記すと、前者は塩山市(えんざんし)と勝沼町(かつぬまちょう)および大和村(やまとむら)が合わさって出来た(05年11月)。より甲府に近い山梨市などとの合併も話されていたが、結局、現状の枠に収まった。ちなみに塩山には武田信玄墓所があり、大和村は武田氏終焉の地、今は甲斐大和駅となっているが、長く初鹿野(はじかの)という素的な名を持っていた。旧大和村のHPが残っていて、その中に「まほろば連邦国」というコーナーがあり、全国で「大和」(呼び方は異なるが)と標記する市町村が並んでいるけれど、「合併いたしました」がずいぶん目立つ、また、残りをクリックしても、合併というのがいくつかあり、「国」は成り立っているのだろうか?気になっている。数少ない残留組の「大和」のひとつは奄美大島にあった、話が逸れすぎたが、行ってみたいと思う・・・。後者(甲斐市)は少し前(04年9月)に竜王町敷島町双葉町が一緒になった。いずれも甲府ベッドタウンとして人口が増えている地域である。以上のように山梨県には甲府があり、甲州があり、甲斐があり、さらには、山梨もあったので、06年2月に新たな市の名づけにかなり苦心したのであろう、玉穂町・田富町・豊富村には中央市しか、残っていなかったのかもしれないけれど、この先、どうするのだろうか、これもまた傍者の余計なお世話なのであろう。
 標題の企図するところは、前橋市へと行った際に訪ねてみた稲荷社付近の地名について、想いを馳せてみることであったけれど、時間がない。明日は、ここで、書きたかった地名の本筋ともいえる三河に向かうので、その仕度を行ないたいと思う。続きはそこで、さらに考えてみたい。