やんばる

 所用で恩納村まで出かけた。わたくしは免許をもたないので、移動は電車か、バス。今回は片道2時間半ばかりの路線バスに乗った。以前(25年前)、やはり、同じような経験をしている。ただし、その時は名護まで至ったが、今回はその日のうちに那覇に戻らなければいけない事情もあり、手前で引き返してきた。「やんばる(山原)」というのは今では名護以北をさすようになったと書かれているのをみて、蒼とした樹林の原が年々縮小しているのかとも案じている。しばらく那覇市内にとどまってばかりいると、海をみることがないので、浦添や宜野湾、嘉手納などの市街を過ぎ、左手に碧とした海原をみると、ほっ、ともする。バスの中から気になったことは、北に向かうにしたがって、海が間近に感じることである。わたくしのかすかな記憶の中には、本島中南部那覇市周辺など)に比べて、北部(やんばる)の方が小高いとあったので、海からの土地レベル(海抜=標高)から考えると、北部に進むにつれて、陸地と海の距離(高さ)は増すものと思っていたが、今、バスの外にみえている状況はその正反対の結果となっている。あれこれ、往復の車内で考えていたが、まともな答えは出てこない。那覇市の方が都市化が進み、護岸工事などで、海が低く(陸地が高く)みえるのであろう、北部が高いといっても、それは相対的な話であって、海近辺は必ずしもそうではないのであろう、走り過ぎていくバスの中から、のんびりと眺めているだけのことであるから、単なる錯覚なのであろう・・・。ろくに調べもしない自分がいけないのであるが、いまだに、あの海の近さが謎として、わたくしの頭の中で、もやもやとしている。沖縄県の資料によると、本島の最高地点は国頭村・与那覇岳の503m、全県一の「お山」は石垣・於茂登岳(おもとだけ)の526m、山羊料理屋さんでも仕入れ始めた同名の泡盛を連夜呑んで、相変わらず、ぷらぷらとしている。