ふ(み)・づき

 先月につづいて、月の異名について書くことから、今月も始めてみた。7月は文月(ふづき、ふみづき)といふ。これは、あくまでも陰暦の世界の話であるが、七夕の日、短冊に願いごとを認(したた)めるのも、語源の有力説とある。(語源由来辞典による)もう、そういう、悠長なことは、日々行なっていないが、幼稚園・保育園の前など通ると、今でも竹笹に、思い想いの願いを書いて、ぶら下げている光景にあう程度で、これも特段、意味のあるものとは思えない。めだつのは、商店街の大売出しぐらいであろうか。わたくしたちは、日本三大…という表現が好きであるけれど、七夕は、仙台、平塚(神奈川)、まではスッと認(みと)められるものの、3コ目がなかなか確定できないでいる。いくつかのサイトを参考にしても、3番目は複数の例が並べてあるのが大半である。おそらく、並べられた町及び地元商店街では、わが町が3コ目と必死なのであろう。七夕については、国立天文台が「伝統的七夕」という日を毎年もうけており、今年は8月11日になるそうである。その、設定方法は「処暑(しょしょ)=8月23日(頃)よりも前で、処暑に最も近い朔(さく=新月)の時刻を含む日(日本時間)を基準にし、その日から、数えて7日目」ということであるそうだ。だから、何なの?と思うけれど、同台によると、『その日(伝統的七夕)は梅雨明け後となり、晴天率は高く、また月は夜半前には沈み、その後は天の川がくっきりと見える観察条件となります。この機会に、月や星を見上げてもらうきっかけにして欲しい、そしてできればライトダウンを実施して、無駄な照明を消し、夜空をよく眺められるようにしてほしい、と願っています。』と、その疑問に答えているが、今の都会では、光の前に、ビルが邪魔をして、空が見えないので、せっかくの提案も、あまり有効的ではないかもしれない。だいいち、お☆様がみたければ、山へ来てくださいと、先の七夕目当ての商店街同様、過疎ばかり言われる山間の村がアチコチで大売出しをしている。
 ところで伝統的でない、ふつうの七夕(7月7日)頃は「小暑」にもあたる。梅雨も終わりに近く、赤ジソを買い求め、漬けてあった梅にお化粧をする頃、また、暑中見舞いを書こうかという時季である。もちろん、これから、より暑くなるということをわきまえながら、皆、それに備える時期でもある。「家計調査」(総務省)に《この日(前後)しか売れない》というのがあって、例として、ウナギの蒲焼、お盆の時期の切花(供花)、そして、ケーキ(クリスマス)というのがあがっている。これ以外で、成功したのが、バレンタインデー及びホワイトデイ(こっちはイマひとつだが)、失敗したのは…、あまたある。この時期に該当するのはウナギということになるが、まだ早いので、他に該たるものはないかと周りを眺めたら、結構あった。ビヤガーデン、蚊とり線香(薬剤、電子式も蚊)、そ〜めん、クールビズ…、水ようかん、つながりでお中元(やめた方がよいと思うけれど)、プールと、水な月(水無月=6月)をさえ、凌ぐ水(の消費量)でもって、これから先、長〜くて、暑い日をおくりたいと思う。
 さて、なにをもって、わたくし的、文月、とするのか、すでに、短冊はアチコチに(年中)ぶら提げてもらっているし、いまさら、ルビコーン河に投げる賽もないので、じっと、この暑さを忍んでいるばかりである。
[語源由来辞典]
http://gogen-allguide.com/hu/fumizuki.html
伝統的七夕国立天文台http://www.nao.ac.jp/tanabata.html
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[家計調査における特異日]かば焼き、切花(供花)、ケーキ
http://www.stat.go.jp/data/kakei/4-3.htm#2