空っぽ

 頭が空っぽである。ああ、もちろん、そのことは生来のことであるが、ブログ頭とでも表わすのだろうか、書こうという気もちが一切起きない。書きかけがあって、少しづつ埋めていかないと、記憶からサヨナラされそうなのであるが、一向に進まない。
 そういう状況の中で、頭の運動をするために、久しぶりに書店で時間をツブシてみた。文庫本コーナーを中心に歩いてみて、2冊求めてきた。
 一冊目は、『全国まずいものマップ』(清水義範さん、ちくま文庫)である。題名に釣られた。まだ、その章しか読んでいないが、なぜだか最初の四つは実際の県名を用いているのに、5ケ目からは美舞山県、布毛島県そして岩崎県と架空となっている。その時点(5ケ目)でフィクションまたは名伏せであることに気づいたのだが、そもそも三つ目で気づいておくべきであった。(頭空っぽだからね)

 《悪夢に近い「旅館の夕食」  山形県・湯の滓温泉の靴輪旅館》

 それに近い場所は見当がつくので、あながちフィクションでないとも分かる。
 同書の最後に収められている「自著解説」も読んだが、その中で、三つ目(湯の滓)までは実体験のようであるとも知った。とすれば、実名の四つ目が怪しいということになる。ただし、袋田の滝というのがあるから、虚実の皮すれすれのお話である、と考えておく。
 あとがき(自著解説)によれば、小説現代92年7月掲載とある。もう、ずいぶん年月を経ているので、続編をお願いしたい、そして、いつか、真似をして、わたくしの「マズイモノまっぷ」を書いてみたいが、残念ながら、未だかつて、マズイと感じた食べ物がひとつもないので、書くことができない。(嫌い、苦手な食べ物はたくさんある)
 
 『スパムメール大賞』(サエキけんぞうさん、文春文庫)は05年11月に辰巳出版より『ネット限定恋愛革命 スパムメール大賞』として単行本がでているそうだ。辰巳さんには悪いが、やはり大手ともなると、題名にも気を遣うようである。
 まず、スパムメールの由来を知って、もうそれだけ(最初のページ)で読破した気分にもなった。読み進めていくと、献身的な著者の気もちが十二分に伝わってきて、とりあえず、流し読んでいるがΩ、決して、電車内では読まないと決めた。

 《著者および出版社は一切責任を負いません

 と、帯にもある、そのあたりを慮って、「ネット限定恋愛革命」を削除したのか、そう考えると、車内で読んでも、良いのかなと、今朝、携えていこうかなぁと、ちょっと、迷っている。

 ついでに記すと「全国まずい・・・」の書間にはさみ込まれていた『源氏物語新聞』というのもなんだか気になってしまっている。

 頭に0.127%ぐらい、燃料を給(もら)った気がしてきた。