そこにある、よ、と、記憶の底にある欠片が教えてくれた

 ずっと、拙ブロ、二たび参道四天王寺〜08年12月24日付)の記事に引っかかっていた。
 スパゲチのことである。より正確を期せば、暮らしの手帖社による「おそうざいふう外国料理」がわたくしの記憶の奥深くにぶら下がっていて、気になっていた。探してみると、「あった」。(08年12月30日、発見)おそらく、頂いたのだと思う、購入した記憶はさっぱりない。

[74年版第5刷]

おそうざい本

 今から30数年前の刊行ながら、全てが古くない情報である。ここではスパゲチのみをおさらいしてみよう。

[コンビーフ スパゲチ]

 コンビーフを買うことのできない家庭ではツナを代用して、大根おろしをまぶすという至極乱暴な例が一部の地方にあった。

スパゲチ2

[スパゲチ青じそまぶし]

 今であらわすと、バジリコ・スパゲッティのことであろうか。

バジリコか?

[アサリソースのスパゲチ]

 ボンゴレか。

ボンゴレか?

[スパゲチ ミートソース]

ミートソース

[スパゲチ ミートソース2]

ミートソース写真

 74年という年は個人的にはいくつかの記憶が未だに、その底に沈んでいない残像としてある。第一次オイルショックが前年にあり、今となっては寓話的な出来事であるが、皆がトイレットペーパーを買い占めていたことも含んでおこう。。
 翌年の記憶に「長嶋茂雄選手」の引退(10月)がやはりあり、そして前月に起きた多摩川決壊は新幹線の車内からその現場を何度か見て、数年前に自らが経験した洪水を重ねていたこともあり、前者以上に親(ちか)くにある。次の春まで、崩れかけた家屋が河畔にへばりついていたようにも思うが、もう、そのことは記憶の外にあって、確かではない。
 只今、わたくしは「ザ☆20世紀」というサイトを参考としながら記している。他にもいくつか思い当たることもあるが、ここでは書かない。
 物価の項をみると、大卒の初任給8万2,629円、かけそば150円とあった。現在はそれぞれ20万円、500円(立ち食いを除く)程度か、「おそうざいふう・・・」は、当時2,400円とあり、今、3,200円(税を含まない)、昔はかなり高く、今はそこそこという印象である。ただし、現在価格は手帖社によるものではなく、新刊かどうかが分からない。

[74年の2,400円]

74年版

 固(もと)より、これでもって、何かを拵えようとしいう気はないけれども、頁を捲っているだけ、文章、図版などを眺めているだけ、それが楽しいし、お腹(なか)も満足したからね、と、わざわざ報せてくれる。

 ごちそうさま