さぶさぶ(SUB_SUB)

 一週間ほど、山(近く)にいた。6月だというのに、寒(さぶ)くて、もちろんストーブや炬燵に頼ることまでは、なかったが、薄着ではサブい、厚手の毛布をあてて、凌いでいた。そういう頃に、ユーロ2008が開幕していて、初っ端から観てしまった。2002年ワールドカップは2カ国共催であったが、今回はスイスとオーストリアがホスト国となり、予選なしで出場できる(~_~)。ちなみにFIFAランキング(6月4日現在)は(S)44位、(A)92位で、ちょっと驚いた。なにしろ、日本が38位であるのだから。残念ながら、本日(6・13時点)で、スイスは決勝トーナメントに進めない。オーストリアはというと、イヴォ(ヴァスティッチ)選手(MF、以前はFWも)という懐かしいお名前が終了間際のロスタイムにPKを決めて、(望みを)つないだ。同じクロアチア生まれのパナディッチ選手(DF)とともにやってきた華麗かつ堅・俊な二人の所作は今でも憶えている。さて、今夜は「C(死)のグループ」のマッチングである。堅守(過ぎる?)でもってフランスと引き分けたルーマニアがローマ、いえ、イタリアと、予選通過をかける。もちろん、オランダも緒戦のようにはいかないのかもしれない。いずれにしても、観るつもりでいる。大空からのショットが美しい。
 さて、明日、東京地下鉄?最後の新線ともいわれている副都心線が営業を開始する。東武東上線西武池袋線有楽町新線を経て、明治通り下をほぼ通過して、渋谷に至る。2012年には、さらに東急東横線みなとみらい線にも乗り入れるそうだ。地下鉄で、副都心、さぶさぶ線とでも呼ぶのであろうか。
 さぶい世の中でもある。秋葉原での悲惨な出来事は、ハケンに対する批判のような報道ばかりで、これも、さぶいことである。もう、褪めているけれどもネットカフェ難民の際も、そういう「論調」であったことが気になる。「した」ことは悪い、それだけは否定しようもないけれども、「したくなる」という現実を擱いて、ハケン=むにゃむにゃ、NCN=ふにゃらほにゃ、というのでは、世の中はこれからも、やはり、さぶい。一部が悪いのではない、みながそうなのである、ということを書くこと自体もサブイのであろう。事件は、いくつかのサイトにもあったが、わたくしも、数か月前に読んだ阿部和重さんの「シンセミア」の一節に至ってしまう。渋谷の文化村通りにダンプカーが突っ込むシーンである。もちろん、フィクション(虚)の話ではある、しかし、薄皮一枚でもって、「実」に近づいている、と記すのも、サブイことなのであろう。(TBS系列が「時」を先延ばししたのも、擱いているとしか思えなくて、サブイ)

 せめて、今宵はホットな(さぶくない)ユーロ2008にひたっていたい。