蓮華寺池〜“藤枝氏”文学館

 所用の途中を利用して、藤枝市蓮華寺池公園内に9月29日開館した藤枝市文学館を訪ねた。隣接する郷土博物館と一体となっていて、200円(中学生以下は無料)で双方を行き来できる。館内に入ると、すぐに展示室があって、左側の一角に藤枝静男氏がひっそりと“いらっしゃる”。わずかな空間であるけれども、しばらく、そこに留まって、氏について、想った。他に、小川国夫氏、加藤まさを氏はじめ、市にゆかりのある作家、文学者らについて、展示、解説があるが、8・9割がた、藤枝氏に時間をかけた。もう、終わりかけで(入場は午後4時半まで)、誰も新たに入ってこないことをいいことに、ひとり占めした気分で、閉館近くまでを過ごした。もう少し、読んでみようと、展示の中にあった氏の著作の数々を確認し、館を出た。
 蓮花寺池の蓮は、寒ざらしの季節を覚悟しているかのようで、もう茎が伸びきって、葉は茶けて、水面に落ちようとしていた。