しぞーか・おでん

 所用で通う、そのついでに、(所用がついでかもしれない)、藤枝に寄り、その戻る足(胃も)を、静岡で、おでんを食べに向かうというコースがいつのまにかできていた。遠出はせず、駅構内のおでん屋さんで済ましている、といっても、おいしいから、それで十分である。
 仕事のペースが遅いので、急かされて、あわてていると、SI−ZU−O−KAのUとOを逆に打ち、SI−ZO−U−KAと打つことがある。今、試してみると(急ぐ所用はないけれども)、反転前→し・ぞ・う・か、反転後→死蔵化となっている。厄介な字面(じづら)であるけれども、仕方がない、わたくしが出したのだからと思い、恐る恐る消去して、静岡(SIZUOKA)と直している。仕事、夏休みの宿題など、余裕をもって、やろうね、という諌めだと思っている。
 さて、その駅構内のお店に、しぞーかおでんとあって、思わず、以上のことを想いだす。B−1グランプリの紹介(↓に参照サイト)にも確かに「しぞーかおでん」とあるので、間違ってはいないのであろう。ちなみに、第二回大会で、しぞーかおでんは第三位であった。しつこいけれど、「しぞーか」と打っても、予想外の字面は出てこない。「死蔵化おでんの会」・・・いえ、「静岡おでんの会」のサイトによると、静岡のおでんは、以下の三点に特徴があると書かれている。
1.汁が茶色がかった特徴を持つ
2.静岡名物「黒はんぺん」が入っている
3.青のり・かつおぶし・味噌だれをお好みで
 汁が茶色・・・というのは、いささか遠慮気味で、黒色が、茶色がかったと表現する方が、より、現物に近いと思う。具(種)に関しては、やはり黒はんぺんに代表されるのであろう。残念ながら、わたくしは1店しか訪ねたことがないので、他のお店については分からないけれども、ウインナー(ソーセージ)というのも、これはこれなりに特徴ではないかと思う(自家製おでんの際、わたくしも入れる)。最後のふりかけ・たれ関連であるが、わたくしの「お店」(行ったことのある唯一のお店)では、青のりとかつおぶしを混ぜた状態を容器に詰めていたような記憶がある。もしかしたら、節だけかもしれない(つい最近のことであるが、もう忘れている)。ただし、味噌だれは出てこなかったし、いずれにしても、わたくしは嫌いなので、どうでも良い。以上、静岡おでんの特徴であるけれども、決定的な事項が抜けている。
 「汁がない」
 上記、おでんの会にある、第一の特徴と矛盾しているように思われるが、汁は、こしらえる側の方にあって、こっち(食べる側)に供される時点では、ほとんど汁がない。お皿の底をよくみると、具・種に滲みついた、あるいは、付着した汁が少し、「ある」程度である。
[静岡おでんがコッチ(食べる側)に到達した時点?](B−1グランプリより)
[(同?)](GEBSiTE.orgより)
 したがって、(汁をすすりながら)出汁が効いているねェ、とか、ここのは京味(要するに薄い)だねぇ、といった、講釈もできないので、その筋には物足りないかもしれない。と書いている、わたくしも蘊蓄をいえば、薄味が好きで、実のところ、真っ黒な静岡おでんに到るまでには、勇気も要った。黒はんぺんはともかくも、ダイコン、ちくわ、こんにゃく(これは、もともと、やや黒に近いけれども)といった、わたくしの三大おでんネタが黒くなること自体が、ちょっと気になる(わがままだから)。しかし、少し、しょっぱい(辛い)という気はするけれども、その分、水分(お酒)を補給すればよいことなので、他の肴(季節によるが、サクラエビシラウオ、カツオ、イワシなど)とともに、ついつい長居しがちである。
 家計調査で「おでん」関連を調べてみた。ずばり、おでんは、ないけれども、近似値として、「他の魚肉練製品」を選んでみた。やはりというのか、意図的に、わたくしが、選んだ所為もあるけれども、静岡市は全国の平均消費額の2倍以上を消費する唯一の都市であった。
[他の魚肉練製品の消費額](00〜06年)
20070827144901.png
「家計調査」(総務省統計局)をもとに作成
【他の魚肉練製品に含まれる食品】
○ 半ぺん しんじょ つみれ だて巻
○ 厚焼
○ 魚肉のハム・ソーセージ
× おでん材料セット→375(※これは、鍋料理などともに、「そうざい材料セット」で括っているため、参考にはならない)
 はんぺん=おでんとは単純には片づけられないけれども、静岡市(あるいはその周辺)がおでん王国であるという、その一片(または半片程度)がうかがえる。次回は、9月になるが、少し、遠出をして、別のおでん屋さんにもと、思っている。