火の国、通りすがりの記・番外

 昨日の拙ブロ内にある熊本駅の写真は、空港へ行くまでに待っていた停留所から携帯で撮ったものである。前日、玉名から戻り、初めて、明るい中でみた駅の姿は、わたくしにとって印象的に映えていたが、火の国を離れる間際に、ふとバス停に立ったまま、振り返ると、そのシャナリとした容姿があった。思わず、撮っておいたというのが気持ちの半分を占めており、おそらく、残りの気持ちは、ブログで使おうという、意地汚いものであったのだろう。今夜、確認のため、毎度お世話になっているフリー百科事典『ウィキペディアWikipedia)』で熊本駅を探してみたところ、そこに掲載されている熊本駅のお姿が、わたくしが、意地汚く撮ったモノと、ほぼ同じ角度から撮られていることに気づいた。内容まで確認できないが、ほぼシンメトリックに形づくられている同駅の向かって左側に2本、そして右側に1本、幕が垂れているのも同じである。撮影時期は04年9月8日とあるから、ま、中身(書いてある内容)は異なっているかもしれない。多少、わたくしのモノは地上部分、つまりタクシー乗り場などを省いているので高低差はあるものの、おそらく、ウィキの撮影氏も駅前交番のおまわりさんの視線を気にしながら、こそっと撮ったのであろうか。何もそんなところでと思うかもしれないけれど、他にウマイ具合の場所がない、という事情もある。正面から撮ろうと思えば、駅前通りの真ん中に立って、市電を停めることになる、それこそ、おまわりさんが飛び出してくるであろう。その通りの向こう側から撮ればとも思うが、わたくしが泊まったホテルから駅への道が微妙に曲がりながら、変則Tの字で交差しているものだから、場所が見つからないうえに、途切れることのない交通量の中、撮影好機はほぼゼロに等しいとも思える。では、逆角度は?と思い、電子地図上で駅の右側方向に眼を移すと、これも駐車場にかかる場所に立つことになり、おまわりさんが・・・。結局、わたくしの場合は、たまたまバスを待っている間に、振り向いてであるが、撮影氏にとってのベストポイントが、おまわりさんの間近でありながら、叱られることなく、しっかり撮れる「あの」場所であったと想像するしかない。もっとも、ウィキの中で、鹿児島本線上熊本駅熊本駅川尻駅の写真を見ると、いずれも左斜め方向から撮影されているので、この方のお好きな角度なのかもしれない。(同一人物かどうかは分からないけれど)
 わたくしのと、撮影氏との大きな差異は撮る技術であるが、二つめはお日柄であろう。わたくしのは、ヘルンさんが嫌って(体のために)去ったという松江の空のようである。ちなみに、駅構内で見かけて、思わず買い求めてしまった「香梅(こうばい)きんつば屋」の『まるきんつば』はたいへん美味しかったので、撮る間もなかった。