少食・高冷化

 もともと少食なのではあるが、この時季(少しずれてはいるけれど、まだまだ暑いので)はその度合いがより増している。さらに、より涼を求めて、冷たいものばかりを体が、心がほしがるので、標題のような事態になる。高冷化(そば、ソーメン、ジェラート、アイスティ、冷えたビール、冷・お豆腐など)はともかく、少食化は年齢ともおおいに関係の深いことではあるけれど、わたくしの場合は、冒頭のとおり《もともと》ということの方が大きいこともあるので、この時季というのは間違いかもしれないが、外で食事を摂るときなど、常に、供される料理の量に悩まされている。打開策としては、注文するさいにご飯など『少なめ』にと、必ず、お断りを入れることが必須であるけれど、この少なめというオーダーが、わたくし、そして、受けたお店の方の感覚の違いによって、かなり異なる場合もある。市井の定食屋などに入ると、少なめがわたくしにとっては多めだったりすることもあり、こういうお店に入った場合は最初にお隣さんなり、周りのお客さんに供される量を観察する必要がある。いつごろからであろうか、「半ちゃん…」(半ちゃん=通常チャーハ分という意味らしい)というメニューが中華屋さんに登場して、みると、半ちゃんはお店の基準に照らした1/2であって、わたくしのそれではないと気づき、以来、半ちゃんは頼まないようにしている。わたくしの少食は相当らしく、以前、足繁く通っていた阿南市の常宿では当初、何もいわなくても朝食付きというお約束があって、わたくしも、無理して?食べていたが、たいていは悪しきことではあるけれど、大半を残していた(ごめんなさい)。と、いつのまにか、フロントの方もチェックイン時、わたくしに「明日の朝食はいかがしましょう」と聞くこともなくなった。おかげで前夜は次の朝のことを慮ることなく、飽かしていた。
 宿泊施設側の事情(省コストなど)という側面は措いたとしても、人によって、食べ方(食べる意欲)は異なるので、近頃は朝食バイキングが主流となっている。わたくしもそのようなホテルなどに泊まり、バイキングを摂ることがあるが、せいぜい、パン1片、野菜サラダ、コーヒー程度でもって、周りのお客さんの様子をうかがっていると、失礼な言い方ではあるけれど、よくも朝から食べられるなぁという光景にあたることもある。バイキングというのは個々の体力、事情(昨夜の)、欲望にあわせて、先ず、100%食べられるだろうという量をピックアップして、席に戻り、食すのがルールである。いったん、取り寄せた分は完食することがマナーである。近頃では、以前のように過剰な盛り(取り寄せ)→ほとんど残すということは少なくなったのだけれど、みていると、わたくし的には、あきらかに過剰盛りだと思う量を、美事なまでに平らげたうえ、再度、列の最後列に並ぶような方を目撃することがある。もちろん、再ピックアップも残さないのだから、わたくしが物言ふ余地などありはしないのだけれど、そういう方にとってはバイキング方式は至福(腹)のシステムなのであろう。
 …いつも思うことなのだけれども、チョット食べたいというゼイタク(わがまま)な欲望を満たしてくれるお店が少ない、と、半ちゃんではなく、さらに50%オフのヨンちゃん(様?)というお店がないかと思いながら、うろうろと、街を徘徊している。もっとも、少食の根底には、お酒という、余計な摂取があることはいうまでもない。