わ・しょく

 拙ブログ6/18“漬”「おにぎりを食むをんな」の最後にふれた日本(和)食について、あれこれ、この数日間、考えていた。
[おにぎりを食むをんな]http://hisada.blog3.fc2.com/blog-entry-77.html
 中華料理というのは回転する円卓でもって、皆で、わいわいと食べるのが、おそらく楽しいのであろう。したがって、輪(わ)食。ただし、円卓会議のテーブルは回らない。各国(各人)の持参した秘密の資料がアチコチに回ってしまったら大変である。おそらく、円卓が回っていたら、歴史は今以上におかしくなっていたかもしれない、あるいは、お互いの秘密が適度に分かって(読めて)、案外、良い歴史になっていたのかもしれない。中華もある範囲までは日本食といってよいのだろうか、それほど馴染んでいるし、中華そばと名乗っているけれども、ほとんど和・化している。この項では、そもそもニホン(わ)・しょくというのは、ナニモノかを考えてみたい。まず、総務庁「家計調査」による分類から、日本料理の定義を確かめておく。これによると外食の分類の中にあり、「懐石料理、点茶料理、精進料理、しっぽく料理、なべ料理、親子丼、うな丼、カツ丼、カレーライス、ハヤシライス、チキンライス、ピラフ、仕出し料理」が内容例示されている。そば・うどん及びすしは別項目として独立しており、なぜか、お好み焼は別の「その他主食的外食」に含まれている。ふぅ、やはり、お役所言葉は分かりづらい。それでは、わたくしたちが普段食べている、「ご飯に、焼き魚に、お味噌汁に、お漬物に、、、」…、これは一体、何料理なのだろうかと考え込んでしまう。おそらく、これら「内食」も当然ながら日本料理(では大げさなので)和食の類に属しているのであろう。いわゆる定食屋は「わ」が中心である。上の分類にはないが、コロッケなど和食に入るのだろうか。海外に長く行っていて、あるいは住んでいて、ひさしぶりに日本に戻ってくると、「お茶漬け食べたい!」、という話はよく耳にするけれど、もしかしたら、日本(和)食の代表は、これかもしれない。
 お茶漬けの起源についても調べてみた。もっとも多い説は「平安時代にご飯に冷たい水をかけて食べた」というもの、その以前にあったという茶飯(これは炊く際に一緒にお茶葉を入れる)まで溯ることができるかもしれない。おにぎり(おむすび)をお碗に鎮座させて、その上からお湯(お茶)をかけるというのもあったはずである。(調べてみると、「焼き」が美味しいらしい)もっとも、歴史には残っていないけれども、農作業の合間に時間もなく、冷えた麦飯をどう美味しく、「早く」食べるかと考えた時に、ウムもなく、白(さ)湯か、お茶でもかけて、おなかに押し込もういう工夫を思いついたのは、自然発生的にアチコチの家庭で生まれたのではないかと、昔、祖母の食事の仕方をみているものには、想像できる。今もそうであるが、暑くなれば、当然、水ぶっかけ(平安時代の起源に戻る?)で、サラサラと、咽喉越しを通して、とりあえず、食欲不振を凌いでいたのだろうと思う。宮崎に冷汁(ひやじる)というのがあるが、そこまで凝ると、もはやお茶漬けの範疇を超えるのかもしれない。あくまでも、サッサ(と、こしらえ)、パッパ(と、流し込む)がお茶漬けの原則かもしれない。いつのまにか日本(和)食の話がお茶漬けに収斂されてしまったが、わたくし的には、双方が一致しているという結果なのであろう。ただし、リゾット(ズッパ多めの)、スープチャーハン、最近人気のスープカレー、あるいはクルトン(オニオングラタンスープに浮かんでいるような)などを考えあわすと、お茶漬け≒日本(和)食と、簡単には言いきれない部分もある。どうも、サッサ、パッパと、片づけられないことだと、今頃気づき、この項、再び、書かなければいけないなぁ、と、後悔している。

お茶漬け[フリー百科事典:ウィキペディアWikipedia)]より
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%81%8A%E8%8C%B6%E6%BC%AC%E3%81%91
森鴎外は「饅頭茶漬け」がお好きだったらしい。偶然であるけれど、「饅頭」については、近日中にとりあげるつもりなので、森式お茶漬けも試してみたいと思う。
[日本料理の定義例][ウィキペディアWikipedia)]より
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%97%A5%E6%9C%AC%E6%96%99%E7%90%86