nINgen kaNkei  と INterNet

 この間、人間関係について考えていた。東京だけで1千万人、国内で1億2千万人、世界は65億かぁ〜、と、想像すると、ヒトは独りではないんだなぁと思うけれど、いったん、東京のど真ん中に立たせられると、自分は独りなんだなぁと思う。それでも、寂しさはない、むしろ、独りの方が心地よい。そして、周りの、あるいは昔の、未来の人間たちをみつめながら、想像の中での人間関係を追っていた方が、よほど楽しい。インターネットというのは、その妄想行為と仕組みが似ているかもしれない。ただし、あくまでもの虚像の域を出ないことは忘れてはいけないのであろうが、実像よりはるかに真実っぽい部分もある。例えば、数ある日記の類は、日常に起こった、さまざまなデキゴトを、その人なりの解釈でもって、『×部長はAと言ったが、本当はBである』というようなことを、もはや実像世界では否定されてはいるものの、虚像の世界では堂々とBを肯定することができる。傍からみる(読む)と、虚像の世界で言われていることが真実で、実像の方がウソということが多々ある。しかも、居酒屋で酔っ払いながら、部長の悪口を言っている程度のノリとは誰も受け止めない。こうなると、どちらが実像であるか、判断がつきかねるが、これほどインターネットが発達した時点においては、もはや、実像が虚像であり、虚像が実像であるといってもよさそうである。
 だとしても、冒頭の、わたくしの妄想は虚像であり、実像には人間関係など全くない。
 せめて、目の前のパソコンさんとは上手な関係をもちたいものである。