正味2・3分

 今日から連休で、普段に比べて、『自分時間』が増えて、困っている人も多いのではなかろうか。わたくしの場合は、日ごろから連休みたいな体たらくであるから、それほど工夫する必要もない。
 以前、ドコカの博士が人間が24時間のうち、思考などに費やしている時間はどの程度かを「測」ったら正味2〜3分ということを仰言っていた。記憶を頼りに、ざっと書くと、先ず24時間から睡眠及び就労各8時間を差し引くところから始まっていたような気がする。で、残りの8時間について、細かく減算していく。食事、移動(通勤・通学ほか)、買物、排泄行為まで含まれていたと思う。そうこう引いていくうちに、結局残ったのは2分か3分しかなく、博士は(自分の人生は無駄ばかりなのかと)唖然としたというような顛末であるが、今、上記に関する資料はないので、ここでは、総務省統計局「平成13年社会生活基本調査」を参考に、30代後半の男性、平日における時間の使い方を示す。(他意はなく、おそらく、もっとも働き盛りであるまいかという理由から選んだ)
 かなり大雑把ではあるが、睡眠7時間、食事1.5時間、通勤1時間、仕事8.5時間、TV・新聞2時間、休養・くつろぎ(含む、うたた寝)1時間、身仕度(排泄含む)1時間、これだけで22時間になる。加えて、通勤以外の移動、趣味・娯楽、学習・研究、スポーツ、交際・つきあい、受診などなど減じていくと、その他の時間はわずか10分となる。つまり、博士の考えと同じように処理すると、1日のうち、思考の時間は最高で10分ということになる。上記の中で、学習・研究あるいは休養という中に「シコウ」が含まれているのかもしれないし、通勤電車の中で「シコウ」というのもあろうが、ここでは、含まずに考えてはいるものの、10分と知って、「ま、そんなものか」と自らをふりかえってみれば、ほぼ納得する。さらに、「その他」には求職活動、墓参などが含まれているので、思考の時間はますます限られていくのだろうか。ついでに書くと、「その他の時間」は全ての世代平均で14分、年齢が高まるほど増えていく傾向にあり、睡眠時間は40代がもっとも短く、以降の年代では徐々に増えていく。(調査対象は10歳以上)
 30代後半男性をモデルとした、このデータは平日であるので、休日はもう少し思考の時間が増えているのかと思えば、そうでもないらしい。仕事がない分、何をしているかといえば、睡眠+1時間強、TVなど+1.5時間、休養+30分強、趣味・娯楽+1時間、その他も+13分と増えているものの、一言で表せば、「平日より多く寝て、ごろごろTVを見て、途中でうたた寝・・・」という使われ方のようで、思考には回っていないようである。他の世代もほぼ同じような傾向にある。やはりドコカの博士の言葉のとおり、人間は無駄に生きているのだろうか。もちろん個々の生き方にもよるのであろうが。
 上記の統計データでは、こうして拙いblogを書いている時間は、目的によって、仕事、学業、趣味・娯楽などに振り分けられているのだけれど、わたくしの場合は、呆けている時間、つまり、休養に含まれるのだろうか。いずれにせよ、わたくしの場合は平均よりはるかに睡眠時間が多いのだから、思考の2・3分をさらに削いで、ほぼ0に等しく、結局、無駄に生きていると考えるしか術はなさそうで、そのことに微塵の反論もない。

では、おやすみなさい。

総務省統計局「平成13年社会生活基本調査」
http://www.stat.go.jp/data/shakai/2001/h13index.htm